FRACTAL chem blog

FRACTAL Dr.SAKAI の科学ブログ

物理学講座3 「力」

物理学講座3 「力」

いよいよ物理の第一歩「力」についてです。

カタカナの「カ」ではありません。

「ちから」です(笑)

今日紹介するこの「力」についての部門は、一般的に「力学」と呼ばれています。

 

力とは…

物体が変形したり、物体の動く速度が変わったりするのは、物体に力がはたらいたからです。何も力が 加わらなければ変形もしない、速度も変わりません。また、変形しなくても、地球上においては重力という力がにはたらい ています。この世の中の全ての物に力は関係していて、物事の現象の根源を探るには力のはたらきについて考えなければなりません。物理は力について考える学問ともいえます。

力の種類には、重力、人間の筋肉による力、ひもが物を引っ張る時の張力、物を引きずる時に感じる摩擦力、水の中の物体を持ち上げようとする浮力、ば ねによる弾性力、荷電粒子の間にはたらくクーロン力、磁石同士が引き合う磁気力、床から押し返される垂直抗力などがあります。

このように力にはいろいろな名前が付いていますが、そのどれもが元を辿ると重力か電磁気力の2種類の力に行き着きます。

人間の筋肉による力も、脳内で発生した電気信号を神経細胞が腕の筋肉に伝え、筋肉細胞を構成する分子たちが電気をやりとりして、筋肉を縮めたり伸ばしたり するものです。ロープにはたらく張力も、ロープを構成する綿や化学繊維の分子が分子間力によって、外から引っ張られる力に対抗している力です。分子間力の 元は電磁気力です。摩擦力と浮力の元は重力ですし、弾性力の元は電磁気力です。

いろいろな力があると言っても、おおもとは2種類であり、その2種類の力をさまざまな場面によって張力、摩擦力、浮力、弾性力などと名前を付けて呼んでいるわけです。高校物理ではこれら張力、摩擦力、浮力、弾性力などについて個別に勉強していきます。

 

引力と斥力

互いに引き合う力を引力といい、互いに遠ざけようとする力を斥力(せきりょく)といいます。

 

力の単位

力の単位には [N] ニュートン が用いられます。あの有名なニュートンからきています。1.0 N は質量 1.0 kg の物体に 1.0 m/s² の加速度を生じさせるような力と定義されています。何のことかわからないと思いますが、後で習う運動方程式というものから導き出されるもので、物体に力を加えると速度が増すという ma = F という式において質量 m=1.0 [kg]、加速度 a=1.0 [m/s²] のときの力が 1.0 N と定められています。

ここで、「 1.0 kg の物体に → 1.0 m/s² の加速度を生じさせるような力が → 1.0 N である 」ということを頭において、次の説明を読んでください。

地球は重力という力によって地球上のあらゆる物体を引っ張っています。そしてそのときの加速度は 9.8 m/s² です。

ということは、1.0 kg の物体にかかる重力という力の大きさは 9.8 N ということになります。( 2.0 kg の物体にかかる重力という力の大きさは 2×9.8 N です。2.0 kg の物体に 9.8 m/s² の加速度を生じさせるのだから。)

では、1.0 N という力の大きさは重力でいうとどのくらいでしょう。

1.0 kg の物体に → 9.8 m/s² の加速度を生じさせるのが → 9.8 N

 ●kg の物体に → 9.8 m/s² の加速度を生じさせるのが → 1.0 N

●は 1.09.8 kg です。計算すると 0.102 kg です。0.102 kg ほどの物体を重力が引っ張るときの力が 1.0 N ということです。感覚的にいうと、1.0 N という力の大きさは、手のひらにみかんを置いたときに感じるくらいの力、ということです。

これらのことを 3-1-2-1 自由落下運動 の項で示した g (=9.8 m/s²) という記号を使って表してみますと、

1.0 kg の物体にかかる重力 = 9.8 [N] = g [N]

2.0 kg の物体にかかる重力 = 2×9.8 [N] = 2.0g [N]

0.102 kg の物体にかかる重力 = 1.0 [N] = 0.102×9.8 [N] = 0.102g [N]

m [kg] の物体にかかる重力 = m×9.8 [N] = mg [N]

と表すことができます。

ややこしくて混乱すると思うのでこの説明は何度も読み返してください。昔は kg重(きろぐらむじゅう)という分かりやすい単位があったのですがこの単位は廃止されたようです。

 

次は力の現し方、ベクトルについてです。